樹木の剪定の切り口の話
昨日、剪定に伺ったお宅の一年前の切り口の写真です。
樹種はシマトネリコです。
カルスが発達して、傷口(剪定痕)を覆おうとしたり、すでに覆い終えている状態です。
剪定の時は常にこの事を考えています。どのような切り口が早く傷口を覆うことができるかと。
簡単な図ですが、赤い部分が枝の組織になります。
そのほかは幹の部分になります。
線で書いた「切る位置」が一番、樹木にとって、負担が軽くなります。
それより幹に近いと幹の組織を切断することになり、そこから幹が腐っていく可能性があります。
枝を残し過ぎても、カルスが切り口を覆うことができず、そこから空洞になったりし、結局は幹が腐る原因につながります。
このことを知らず、幹の線に沿って枝を切断したりされた樹木をよく見かけます。また、剪定の本にも、見た目優先でそういうことを勧める書き方をみます。
私にとっては、どちらがいいか明らかですが、剪定した時の見た目を優先するならば、それは否定しません。(後々、幹枯れにつながります。)