樹木はそこに住む人々のためのもの。
以前、港区の大きな日本庭園を年間管理の提案のために調査したことがありました。
1ヶ月ぐらいかけて、全ての樹木を調べました。
そしたら、トウネズミモチが多いこと。
1960年ぐらいから植栽に使われだした樹種なので、作られた当初はなかったはずです。
要注意外来生物リストにも載っています。
よく知らない人にとっては緑が多くていいかと思うかも知れません。
でも、設計者は意図したであろうモミジ類のある風景は壊れていきます。(トウネズミモチの陰になり枯れます)
法律により、緑地面積の確保のための緑化で、そのために公害、病害虫に強い樹種が選ばれてきました。
そして、つまらない風景が広がります。
そもそも、樹木は環境のバロメーターになるもので、強い樹種を植えるだけでは住み心地はよくなりません。むしろあえて、公害に弱い樹種も植え、維持することが人間にとって住みやすい、健やかな環境であることを知ることができます。
私たちはもっと、好きな樹種を植えていいのです。ましてや個人のお庭などは、植木屋さんの意見、好みに左右されず、好きな花の咲く木を選ぶなど、お客様、そこに生きる人々優先で考えられるべきです。
なぜ、いままで、家の壁の色、内装、お風呂、台所など、すべてお客様の好みで選ばれるのに、庭はお客様の好みが反映されにくかったのでしょう?